阿弥陀様は私の本当の親だと言われます。
この世の親のことを本当の親だと思っていても、阿弥陀様が本当の親だとは思えないのが私です。
しかし、ものごころついた時から親だったというだけで、この世の親が本当の親だということを私が確認したことはありません。
では、どうして私はこの世の親を本当の親だと思っているのでしょうか?
それはものごころつく前から現在に至るまで、親らしいことをしてもらったからでしょう。ミルクやオムツから始まり、食事の支度など衣食住の面倒を当たり前のようにしてもらったから今の私がいるといえます。
もちろん親とはいえ普通の人間ですから、理不尽な扱いを受けたり、人によっては酷い仕打ちを受けたという方もあるでしょう。
それでも今こうして世の中でそれなりに暮らしているのは、やはり親に育ててもらったからでしょう。
不完全な人間の親でさえ親で有り得るのですから、苦しみもがいている私を可哀想だと涙を流し、私を苦しみの世界から抜け出させてくれる阿弥陀様が本当の親だということはこの世の親が親である以上に本当のことであるはずなのですが、そう思えないのが私なんだと思います。
思えない私が、思えないまま、阿弥陀様が私の本当の親だと気付かされる時、それが親子の名乗りをあげる時なのだと思います。
南無阿弥陀仏(-人-)